試合開始直前のタイ代表たち
プーミポンアドゥンヤデート国王陛下の崩御で揺れるタイ。スポーツではサッカー人気が熱いタイにもプロリーグ「タイ・リーグ(PLT)」があるが、運営側は国王への哀悼の意を示すため、いち早く残っている今シーズンの全試合の中止を決定した。
そんなタイで、先月6日、ワールドカップ・アジア最終予選として、バンコクでタイ代表と日本代表の試合が開催された。あれから1ヶ月半、改めてタイのサッカー代表の実力を分析してみたい。日本人の評価は概ね日本代表の不調だったという論調になるが、タイ代表は本当に日本代表に劣っていたのだろうか?
2016年9月15日時点で日本代表はFIFAランキングで56位、タイは135位に位置する。FIFAランキングが始まった1993年には日本が43位、タイが66位と実力は拮抗しており、Jリーグ発足以前は日本代表よりもタイ代表の方が強いとされた時代もあったことはあまり知られていない。ただ、タイ人はムエタイやセパタクローといった、足を巧みに使うスポーツを幼少のころから嗜んでいることもあり、日本人選手とは違った筋力があり、動き方など基礎的な身体能力は高いと評される。
代表戦の前、日本のメディアはタイ代表を急成長と評価していた。しかし、蓋を開けてみれば不調だった日本以上にタイは決定打に欠けていた。そんなタイ代表の本当のところをバンコク在住の日本人サッカー関係者に話を聞いてみた。