「極楽湯」と「大江戸温泉物語」。ホットに湧き上がる温泉関連ビジネス

温泉リートの未来は?

 そんな「大江戸温泉リート投資法人」だが、初値は、89,200円(-4.1%)と、公募価格93,000円から公募割れしするという結果になった。上場来高値は、同日、91,500円であり、一度も公募価格を上回ったことがない。  9月5日大引け後、大江戸温泉リート投資法人が業績修正を発表し、2016年11月期の経常利益を従来予想の6000万円から6200万円に3.3%上方修正したにも関わらず、10月6日時点、リートの株価は86,400円であり、依然として公募価格を下回っており、投資家からの人気が集まっている状況だとはいえない。そのため、J-REIT利回り平均3.5%に対して、「大江戸温泉リート投資法人」の利回りは3.73%と高い。  しかし、温泉旅館の人気は安定的にある。国内ではシニア層が増えていくことから、温泉旅館の需要は高まりつつあるだろう。さらに、2015年の訪日外国人観光客数は前年比47.1%増の1900万人だが、訪日前に最も期待していたことを単一回答で尋ねたところ、「日本食を食べること」(26.4%)、「自然・景勝地観光」(17.7%)、「ショッピング」(14.2%)、「温泉入浴」(6.5%)の順となっており(参照:訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析平成28年4-6月期報告書※pdf)、訪日外国人による温泉旅館のインバウンド需要も期待できる。  湯が湧き続けている「極楽湯」もさることながら、まだ今ひとつぬるま湯状態の「大江戸温泉リート投資法人」も、今後は化けるのだろうか? 注視しておいたほうがいいかもしれない。 <文/丹羽唯一朗 photo by Kuha455405 via Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
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