独政府によるドイツ銀行救済への公的資金投入プランをすっぱ抜かれるも公式には否定

ドイツ財政に影を落とす要素

 更に、ドイツ銀行の危機を誘う出来事がメディアでも話題になった。冒頭で述べたように、米国司法当局からの2008年に住宅ローン担保証券(MBS)を不正販売したとして、140億ドル(1兆4000億円)の罰金が科せられたことである。このような罰金は一般に減額されるのが常で、54億ドル(5400億円)近くで和解される様相だという。しかし、ドイツ銀行は多くの訴訟を抱えているの事実で、それは負債と同じであるが、その金額がいくらになるのか不明とされている。  ドイツのもうひとつの大手銀行コメルツ銀行も経営難から9月末に9600人を解雇することが公になっている。2020年までにそれを実施するとしており、その費用は11億ユーロ(1200億円)。また、株の配当も中断するとしている。ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併も以前に模索されたが、現状は実現不可能となっている。(参照『El Economista』)  ドイツ政府の財政赤字はゼロであるが、これまで金融関係の支援などは全く行っていないことも理由としてある。 <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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