消えゆく個人経営うどん店を人気ラーメンチェーンが救済する理由

 こんなデータもある。平成26年、世田谷区産業政策部商業課が区内の商店街を対象に実施したアンケートによると、商店街で空き店舗が生まれる原因の第1位は「後継者不足による廃業」で67.1%にも上っている。2位の「経営不振」という理由を上回るほど、後継ぎ問題は深刻なのだ。  もちろん個人商店にはチェーンにはない魅力や味わいがある。「外食するとき、チェーンよりも個人店を選ぶ」という固定客も少なくない。  今年6月、国内外に博多ラーメン店「一風堂」などを展開する力の源ホールディングス(本社:福岡県福岡市)が、福岡市内に4店舗を展開する創業67年の人気うどん店「因幡うどん」を事業継承することを発表した。「因幡うどん」といえば、地元・福岡で熱烈に支持される人気店だが、近年、後継者の不在が経営上、大きな課題となっていた。  事業継承した力の源ホールディングスは昨年8月、同社初となる博多うどん店「博多釜揚げうどん イチカバチカ」を茨城県牛久市に、今年3月には群馬県高崎市に、今年8月には恵比寿に東京1号店を出店するなど、うどん事業にも本格的に乗りだしている。同社はこれまでにも福岡県のラーメン店「名島亭」など事業が立ち行かなくなった福岡県内の飲食店の事業を継承してきた実績もある。 「老舗を救済するなどという大それた考えではなく、博多の食文化を守るため、必要なことがあれば取り組みたい」(同社広報・原智彦さん)
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ローカルチェーンを守ることは、博多の食文化を守ること
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