いよいよ始まる職場の「ストレスチェック制度」、効果がなくても受診すべき理由とは?

 では、実際にこの57問に答えることによって、組織のうつ病患者数が減るのかというと、そんなことはありません。そのような医学的データがないことは、厚生労働省も認めています。  ならば、ストレスチェック制度はやるだけ無意味なのでしょうか。私はそうは思いません。この制度に関して、私には1つだけ分かっていることがあります。  それは最低、年に1回行われる“からだの健康診断”を受けるとき、誰もが自分のからだの健康について少しは考えるように、新制度によって、年に1回すべての従業員が自分のストレスやメンタルヘルスについて考える“きっかけ”が生まれます。これだけでも大きな進歩だと思うのです。

診断結果が会社にバレる可能性は?

 しかし、質問に答えると、その結果内容が会社にバレないのかという心配の声をよく聞きます。その心配が生じる気持ちはわかりますが、産業医として多くの企業と関わっている立場として、その心配は不要だろうと言えます。  今回、実施されるストレスチェック制度では、受検結果などの情報管理はかなり徹底されており、会社に内容がバレることはありません。安心して、受けて大丈夫でしょう。  ただし、自分の結果が会社にバレる(正確には開示することに同意する)場合が1つだけありますので、そこだけ注意を要します。  テストの結果、「高ストレス者」と判定されたものは、本人の希望により2つめのイベントである「面接指導」を受けることが可能です。ただし、厚生労働省の出している指針(ガイドライン)によると、この「面接指導」を希望すると、テスト結果を会社に開示することに同意したとみなされます。  では、テストの結果、もしもあなたが「高ストレス者」と判定された場合、どうしたらいいのでしょうか?
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不安な人は◯◯に相談すべし!
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