この疑問については、2013年にヒューストン大学が実験を行っています。152人の学生にSNSの使用状況を尋ね、そのうえで全員のメンタルヘルスと比較したのです。その結果は、次のようなものでした。
・SNSを使う時間が長い人ほど、鬱病の発症率があがる
・他人の投稿と自分の現状を比べる回数が多いと、さらに不幸になっていく
他人のリア充アピールを見て、「それにひきかえ自分は…」と思った経験は誰にでもあるでしょう。それが何度も続けば、少しずつメンタルが病んでいくのも不思議ではありません。しかし、この研究でおもしろいのは、他人の投稿に対して優越感をもった場合にも、メンタルが悪化していく現象が確認されたところです。
たとえば、友人がアップしたペットの画像を見て、「うちのネコのほうが可愛い!」と思ったとしましょう。それでも、やはり自分の精神には悪影響が出てしまうのです。SNSに友人が多ければ、当然、自分と他人の生活を比べる機会も多くなります。友人の投稿に対して劣等感を持とうが、優越感を持とうが、いずれにしても人間は不幸になっていくのです。
研究者は、こう結論づけています。
『人間は他人と自分を比べたがる生き物だ。重度のユーザーは、SNSと距離をとったほうがいい。SNSとは、もともとは他者とポジティブにつながるためのサービスだったはずだ』
SNSで大量の友人を持ち、毎日のようにリア充アピールを欠かさない方々は、いったんアクセスを止めてみてはいかがでしょうか?
(出典)
1.Jung-Hyun Kim, et al. “The Facebook Paths to Happiness: Effects of the Number of Facebook Friends and Self-Presentation on Subjective Well-Being”
2.R. I. M. Dunbar“Do online social media cut through the constraints that limit the size of offline social networks?”
3.Mai-Ly N. Steers, et al. “Seeing Everyone Else’s Highlight Reels: How Facebook Usage is Linked to Depressive Symptoms
<文/Yu Suzuki 写真/
ぱくたそ >
月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(
http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。