その事実を示したのが、2016年にオックスフォード大のロビン・ダンバー博士が行った研究(2)。博士は、3,375人のフェイスブックユーザーを集め、みんながどれだけネット上で交流しているのかを調べあげました。そこでわかったのが、次のような事実です。
・どれだけ友達の数が多くても、コメントのやり取りをするのは150人ほど
・困ったときにネットで共感を示してれるのは、そのうち13.6人だけ
・さらに、困ったときに現実に助けてくれる「真の友達」は、4.1人しかいない
この割合は、すべてのユーザーでほぼ同じでした。つまり、たとえSNSの友達が数千人を超えている人でも、実際に交流があるのは150人で、本当に親密な関係は4人しかいなかったわけです。
ダンバー博士は言います。
「(友達の上限が150人なのは)人間の認知に制限があるからだ。また、それ以上の人間関係をやりくりするのは、時間のコストが大きすぎる」
どうやら、人間の脳は、150人以上の友人関係を処理するだけの能力を持っていないようです。これでは、いくらSNSで友達が増えても、現実の幸せには何の影響も出ないでしょう。
それでは、SNSで友達が増えるほど不幸になっていくのはなぜでしょうか?