大連のランドマーク的存在はなぜ市民不在のまま密かに撤去されたのか?

習近平体制内での権力闘争か?

大連を代表をする観光スポット星海広場(大連市政府公式サイトより)

 今回の華表撤去について大連の主要メディアは大きく伝えておらず、反対デモなども起こっていないが、SNS上では政治的な内容に触れないように気を使っていることを伺わせつつも撤去を惜しむ書き込みが多く見られた。  メディアでは中国国外で展開する法輪功グループ『大紀元』系列のメディアが大きく報じているくらいだ。大紀元が盛んに報じるのは、法輪功を全面禁止した江沢民元国家主席と薄煕来氏が同じ太子党で親交があったため敵討ちとばかりに大々的な薄煕来批判を繰り返している。 「華表の撤去自体は大連のビジネスや観光にはまったく影響はありません。(薄煕来時代に作られた)友好広場の巨大真珠を見ても薄さんを象徴していると思う大連の人はいないでしょう。薄さんを思い出すことはあっても今さら支持する人はいませんよ。時代は変わっていますから。ですが、市民不在な感じが寂しいですね。中国の政治はまだまだ社会主義なんだと改めて思います」(大連出身のソフトウェアエンジニア・男性)  強制撤去が実施された時期が、中国共産党の最高指導部と引退した長老らが会議をする北戴河会議の時期だったことから権力誇示のために利用された感もあり、何やら習近平体制内での権力闘争が激しさを増している兆しなのかもしれない。 参照:大連市政府公式サイト <取材・文・撮影/我妻伊都(Twitter ID :@ito_wagatsuma
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