「こうのとり」の解剖図 Photo by JAXA
ちなみに米国やロシアの宇宙機関や民間企業も、能力や性能に違いはあれど、「こうのとり」のような無人の補給船を運用している(かつては欧州の宇宙機関も運用していた)。これら補給船には、それぞれにできること、できないことがあるが、それは優劣というよりは、それぞれの特長や目的、あるいは用途の違いと言ったほうが良い。
たとえば「こうのとり」は、一度にISSへ輸送できる荷物の大きさが最大という特長をもつものの、他の補給船はその代わりに「こうのとり」より打ち上げ頻度が高い。また、ロシアの補給船はISS全体を押し上げるようにして軌道を変えることができるが、「こうのとり」や米国の補給船にはできない。さらに「こうのとり」はISSに自動でドッキングできず、一旦ロボット・アームで捕まえ、それを操作することで結合する。ロシアなどの補給船は自動でドッキングができるが、一方で「こうのとり」のほうがISSとの間の出入り口が大きく、ロシアの補給船よりも大きな荷物を出し入れすることができるという特長がある。
⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=107104
-
-
ロシアが運用する「プログレス」補給船 Photo by NASA
-
-
米国の民間企業スペースXが運用する「ドラゴン」補給船 Photo by NASA
つまりどの補給船が欠けてもISSの運用に多かれ少なかれ影響が出るため、それぞれの特長を活かしつつ、互いに連携して運用され、ISSと、そこで暮らす宇宙飛行士の生活を支え続けているのである。