これが三菱重工のロケット工場だ! 日本最大のロケット「H-IIB」6号機を見てきた

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H-IIBは2009年9月11日に試験機(1号機)が打ち上げられ、ぶっつけ本番ながら、国際宇宙ステーションに物資を補給する補給機「こうのとり」を無事に宇宙へ送り届けている Photo by JAXA

わずか15分で秒速約8km

 打ち上げでは、まず第1段にある2基のロケット・エンジンと、その周囲に装着される4基の固体ロケット・ブースターを噴射して大空へ舞い上がる。なお固体ロケット・ブースターは三菱重工ではなく、IHIエアロスペースが製造しているため、この工場にはなく、打ち上げが行われる種子島宇宙センターで結合される。  やがて固体ロケット・ブースターは燃料がなくなり、分離。この時点で高度は60kmに達し、速度は秒速約2kmも出ている。そのまま第1段エンジンのみで飛行を続け、やがて宇宙空間に出たところで、「こうのとり」を空気から保護していた衛星フェアリングを投棄する。  さらに飛行を続け、第1段の推進剤もなくなると、機体を2つに分離し、続いて第2段エンジンに点火。さらに加速し、打ち上げから約15分後、計画していた軌道に乗ったところで「こうのとり」を切り離す。この時点で速度は秒速7.7kmにも達している。  ロケットから分離された「こうのとり」は、その後単独で飛行し、自動で国際宇宙ステーションの傍まで接近。そしてステーションに滞在している宇宙飛行士が操作するロボット・アームで捕獲され、ステーションと結合。ハッチ(扉)が開け、中の物資を取り出す。
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「宇宙ゴミ」を出さない工夫
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