SMAP釈明会見のメンバー 「鼻から上が動かない」微表情が表していたものとは

眉が動かないで話をしている人には一声を

 みなさんの職場でこのような表情をした上司や同僚、部下の方はいませんか?②の場合、家庭で大きな悩みを抱えているのかも知れません。仕事に対するエネルギーを失っている、失いつつあるのかも知れません。  もちろん眉の動きがないことを持って、その人がうつ病になるとか、仕事を辞めてしまう、なんて未来予測は出来ません(そうなる可能性もありますが)。しかし、普段そうではないのに、あるときそうした表情している人は、感情が弱っている可能性があるのです(単純に、体力的に疲労困憊という場合もあります)。  困難な状況にいる人が、悲しみ表情や不安表情をしているのならば、まだマシです。外部に助けてシグナルを発する感情パワーが残っているからです。表情がなくなったとき、眉が動かなくなったとき、外部にそうしたシグナルすら発せられないくらい弱っている可能性があるのです。 「どうしたの?」「仕事手伝おうか?」そんな一声が救いになるかも知れません。ランチを一緒に食べに行く、サシで飲みに行く、特段、悩みを聞こうとしなくても一緒にいるだけで壊れかけた感情が癒されるかも知れません。もちろん、状況が深刻ならば、心療内科へ。心が疲れるのは人間の特権。心が弱いから心が疲れるのではなく、最も人間らしいからこそ、心が疲れる、私はそう思っています。  目の前に人がいるのに、スマホやパソコン画面を越しに話をしていると、大切なリアルを失うかもしれません。 <文/清水建二・イラスト/西アズナブル> 【清水建二】 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でコミュニケーション学を学ぶ。学際情報学修士。 日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、日本ではまだ浸透していない微表情・表情の魅力、実用例を広めるべく企業コンサルタント、微表情商品開発、セミナー等の活動をしている。また、政治家や芸能人の微表情を読んで心理分析するなど、メディア出演の実績も多数ある。著書に『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。 【ビジネスで活用する微表情学第8回】
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微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!