インドカレー店乱立の影に悪質ブローカーの存在

ローコストゆえの過当競争で多くの店が火の車

 出店コストの安さはもちろん、ランニングコストが安いことも出店ラッシュに拍車をかける。  「小麦粉でつくるナンのような『粉物』の原価率は、一般的な飲食店は4割程度なのに対し、インドカレー店は2~3割で済む。さらに調理を担当する外国人(インド、ネパール、バングラデシュ人等)は修行を積んだコックではない場合が多く、人件費も抑えられる。カレーは彼らにとって庶民料理で、訓練せずとも作れるうえ、味が濃く、脂っこいので料理の腕が味にあまり影響しないのです」  こうして見るとインドカレー店の経営は割のいい投資のように思えるが、平野氏はそれを否定する。 「現状は過当競争。今から出店した場合、自分がオーナーシェフをしたとしても月に30万円程度の収入を得るのは大変。事実、多くの店が火の車になっています」
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悪質業者に搾取される外国人労働者が急増中
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