『GAP』低価格ブランド『オールドネイビー』日本撤退はCEO交替の影響が大きかった

母体であるGAP以上の値下げが出来なかったことも敗因か

 さらにGAP本体の価格設定も足かせとなった。セールでGAPの価格を下げることはできても、オールドネイビーはもともと“超低価格”商品が中心となるため価格を下げることが困難で、プロモーションやマーケティングの選択肢が限られていたのも事実だ。 「全店舗撤退という潔さは、ブランド全体の閉塞感を打破するための打開策でしょう」と岡本氏はいう。  そんな日本のファストファッション業界で、今後成長を見込める企業はあるのだろうか。 「今一番注目されているのが、『しまむら』です。セントラルバイイング制(本部一括仕入制)の導入など新たな自動化システムの稼働を積極的に行っています。今後のファストファッション業界で伸びる企業の特徴として、ITをうまく活用できる企業に可能性を感じます」。  国内市場に風穴を開けるためには、価格や質を上回るインパクトが必要となるのかもしれない。 【岡本泰輔】 南カリフォルニア大卒。4か国語を駆使してマルチリンガル国際評論家として積極的に活動中。ルーマニアに会社も持つ。http://www.okatai.com/blog/ <取材・文/HBO編集部>
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