『GAP』低価格ブランド『オールドネイビー』日本撤退はCEO交替の影響が大きかった

「低価格=売れる」時代の終焉を象徴した撤退劇

 実際、ラーソン氏が就任してからは、同社ブランド「GAP」と「Banana Republic」がマイナスである一方、オールドネイビーだけが業績を伸ばしている。 ⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=105399
GAPブランド別既存店売上高変化率

GAPブランド別既存店売上高変化率(出典:GAP公式HPより)

『ユニクロ』のジーンズのようなブランドを代表するヒット商品がなかったのも痛手となった。 「赤ちゃん商品のラインナップが豊富であるという強みもあり、参入時点で一部の層からは支持はありましたが、全体的なインパクトは弱かった。ファストファッション業界では、『いかにインパクトを出すか』ということに注力しますが、その点に関しても競合他社との明確な差別化ができているとは言い難かった。品質に関しても、ユニクロで例えられる”日本基準”からは一段も、二段も落ちる」。  同価格なら、質に勝る国産ブランドを選択するという消費者心理が働いたこともマイナスに繋がった。GAP、オールドネイビーともにユニクロ、GUと競合する価格帯。ファストファッションへのこだわりがない中国市場では成長が見込めても、成熟しきった日本市場を勝ち抜く競争力は持ち得ていなかった。
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母体であるGAP以上の値下げが出来なかったことも敗因か
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