民泊解禁決定で、旅行業界では最後のせめぎ合いが勃発中!?

法案提出まで熾烈なロビー活動が続く

 三木谷氏に関しては、楽天トラベルの宿泊施設との間に矛盾も生じると思われるが、その点に関しての説明はなされていない。 「安倍政権は、遅くとも本年度中の国会での法案通過をさせ来年4月までの施行を目指しています。法案提出されるまでには、まだまだ両陣営のロビー活動は続行されるでしょう」  政府の後押しを得た民泊側に有利な状況と言えるのだろうか。 「しかし、閣議決定直前の最終段階で盛り込まれた、民泊運営者が居住する物件と、居住しない物件や賃貸物件で営むケースを分ける案は大きく支持を得ている。年間営業180日以下の制限も決められた。これらは民泊推進側には痛手で、全旅連にとっては負けはない状況へ持ち込んだ。全国的に民泊が解禁になったとしても、決定権が各区市町村の条例にあるとしているのも、全旅連にとっては生命線です」  では合法民泊の開始後は、どのような状況が予想されるのか? 「新法をどう遵守させるかにかかっていますね。違法民泊が少なからず存在するなかで、新法ができても取り締まりがなければ適正な運営管理は難しく、現行法の罰金はたったの3万円。さらにこの罰金に関しては見直しがされることになっている」  業界間では最後の両陣営によるせめぎ合いがなされている現在。今後もその動きを注視していきたい。 【向井通浩】 250軒以上の安宿を網羅した国内最大のバックパッカー&ゲストハウス宿リンクサイト「ジャパン・バックパッカーズ・リンク」代表、ジャーナリスト。インバウンドとその周辺事情に精通している。 <文/HBO編集部 写真/Photoribraly
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