それも、近年の研究によれば、単純に仕事が多いことによるプレッシャーよりも、ダラダラと作業を後まわしにしてしまう「先延ばし」のストレスのほうがカラダに悪い可能性が大(3)。「先延ばし」が寿命を縮めるメカニズムは、以下のようなものです。
1.仕事をダラダラと先延ばしすると、あせった脳が「なにも進んでいないじゃないか!なんとかしろ!」とパニックを起こす
2,脳の司令を受けた内分泌系が、ストレスホルモンを大量に吐き出す
3.ストレスホルモンのせいで心拍数があがり、さらに気持ちがあせり始める。やたらと心臓がドキドキするので、人によっては不安やうつ症状が出てしまうことも
4,ストレスホルモンの暴走により免疫システムも狂いはじめ、心臓や肝臓を傷めつけ始める
つまり、「先延ばし」のストレスによってホルモンの連鎖が生まれ、結果として大事な臓器がダメージを受けちゃうわけですね。仕事のプレッシャーで心臓がドキドキし始めたら、それはカラダが壊れ始めたサインかもしれません。
この問題を解決するには、とにかく1ミリでもいいから仕事を前に進めることです。
・たまったレポートを100文字だけ書いてみる
・顧客に1本だけ電話をかける
・5分だけ在庫のチェックをしてみる
これぐらいのレベルで構いません。ハーバード大学が行った大規模な研究により、どんなに小さな前進でも、仕事のストレスは激減することがわかっているからです(3)。どうにかして「先延ばしのストレス」を回避してください。
もちろん最終的には労働時間を減らすのがベストですが、そう簡単にはいきませんからねぇ…。
<文/Yu Suzuki 写真/
ぱくたそ >
月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(
http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。
1.Mika Kivimäki, et al. “Long working hours and risk of coronary heart disease and stroke: a systematic review and meta-analysis of published and unpublished data for 603 838 individuals”“Long working hours, socioeconomic status, and the risk of incident type 2 diabetes: a meta-analysis of published and unpublished data from 222 120 individuals”
2.“What Happens Inside Your Body When You Procrastinate”
3.Teresa Amabile“The Progress Principle”
「パレオな男」の快適ビジネスヘルスハック 第13回