新業態、実験店…「イオン化」進む杜の都。対コンビニ用小型イオンも
2016.08.14
前回までの記事では、仙台市各地の再開発や震災復興計画に参画するかたちで生まれようとしている3つの「復興・防災型イオン」計画と、郊外との競争に加えて中心部どうしとの競合にさらされながらも奮闘する中心商店街エリアの「旧型イオン大型店」の様子を追った。
しかし、杜の都・仙台における「商業のイオン化」は、こうした大型店のみに留まらない。今回は、コンビニとの徹底抗戦を掲げて仙台市中心部で出店が進められている新業態の「小型化イオン」を追うこととする。
仙台市郊外~近郊地域で3つのイオン大型店計画が持ち上がっているなか、仙台市の中心部では「小型化イオン」の新規出店が相次いでいる。
仙台市中心部のとあるオフィスビルの下層階にある「イオン」の文字。到底従来の「イオン」が出店しているようなビルには見えないが、これは、イオンリテールが仙台市などで実験的に展開する小型化イオン「イオンエクスプレス」の店舗だ。
イオンエクスプレスの店舗は売場面積150~250㎡程度で、コンビニエンスストアとほぼ同規模。東京都内で良く見かけるイオンのミニスーパー「まいばすけっと」にも近い業態で、コンビニに対抗すべく、イオンのスーパーが得意としている弁当や総菜と言った「すぐ食べられる商品」を充実させていることも特徴の1つだ。
このイオンエクスプレスは、仙台市内では2013年に若林区荒町に1号店がオープンし、これまでに中心市街地の花京院、立町、五橋などから、宮城野区平成などの郊外商店街にも出店を開始、2016年6月現在で7店舗を展開している。
イオンリテールでは、仙台地区でこうした「小型化イオン」を2019年までに30店舗ほど出店させる計画で、これまでイオンの影響力が比較的弱かった中心市街地にドミナント出店を行うことでコンビニエンスストアに徹底抗戦を仕掛ける構えだ。
ちなみに2015年現在、宮城県内で一番多いコンビニエンスストアはイオンの最大のライバルである「セブンイレブン」となっている。
「小型化イオン」でコンビニと徹底抗戦
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