新業態、実験店…「イオン化」進む杜の都。対コンビニ用小型イオンも

郊外駅チカには新業態の「都市型ミニスーパー」

 仙台市では「イオンエクスプレス」のほかにも、また異なった業態である「小型化イオン」の出店が行われている。その1つが、2015年12月に太白区の地下鉄南北線富沢駅近くに開業した「イオンタウン仙台富沢」の核店舗であるスーパー「イオン仙台富沢店」だ。

「イオン仙台富沢店」はイオンリテール運営では初となる小型の「都市型ミニスーパー」

 イオン仙台富沢店はイオンリテールの運営で、同社では初出店となる新業態の「都市型ミニスーパー」。売場面積は840㎡しかなく、先述の「イオンエクスプレス」よりは広いものの、一般的な「マックスバリュ」と比較すると半分程度の面積にとどまる。  実は、これまで仙台市周辺にはイオン系列の食品スーパーはそれほど多くなかった。2016年現在、宮城県内にはイオングループが全国展開する食品スーパー「マックスバリュ」の店舗は1つも存在せず、かつてあった「ウェルマート」も消滅済み。イオン系列の食品スーパーはマックスバリュ南東北が運営するディスカウントストアの「ザ・ビッグ」が主流で、イオングループは宮城県での食品スーパー展開に遅れを取っていたといってもいい状況だ。  この新業態の都市型ミニスーパーは売場面積1,000㎡未満を基本としており、出店には大規模小売店舗立地法による規制が適用されないため、出店手続きも比較的容易なものとなる。今後、イオンリテールはこういった都市型ミニスーパーをドミナント展開していく方針を掲げており、こういった「小型化イオン」がこれからの宮城県内での食品スーパーにおける新たな潮流となっていく可能性がある。
次のページ 
イオンの「ショールーム」と化す杜の都
1
2
3