ワタミ、給与水準のごまかしに見る抜け出せない「ブラック企業」体質

 さらに、そんなワタミは従業員の平均年収もどんどん落ち込んでいる。有価証券報告書によれば、’11年度には560万円もあった平均年収が、昨年度は481万円、本年度は356万円という水準まで落ち込んでいる。 ⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=104336  昨年度までの給与水準は、居酒屋業界ではかなりの高額で、同じく「ブラック企業大賞」にノミネートされた「大庄」の389万円、高価格路線の「塚田農場」の368万円をも上回っていた。 「日本一の、ホワイト企業を作ろう」というメッセージを打ち出しはっきりとブラック企業対策を意識している鳥貴族でさえ491万円で、昨年度までのワタミと同水準だった。

高給与に隠されたカラクリ

 しかし、これにはカラクリがある。ワタミの有価証券報告書に記載されている平均給与には、グループ本体の社員しか記載せず、連結を含まなかったのだ。  昨年度まででワタミグループ全体の従業員数は6000人を超えていたが、明かされているのは本体の約100人の給与のみだ。今年度、介護事業の売却などもあり、グループ全体の従業員は3500人ほどにまで減った。  しかし、逆にグループ本体の社員数が1778人にまで膨らんだ。すると、そこで算出された平均給与は356万円と、これまでのどの会社よりも低い水準だ。他社はほとんどの社員が本体におり、ほぼ正確な給与水準を明かしているが、ワタミは残り1700人の給与をまだ計上していない。それを含めれば、さらに給与水準は下がるかもしれない。
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外食事業の従業員の給与は?
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