タトゥー文化の最先端アメリカで、Krazy-K氏は黒インクだけの濃淡で表現をするブラック&グレーというジャンルを専門に勉強し、高い評価を受けている。そのため、友人もファンもたくさん現地にいる。そんな彼が今年初頭にアメリカに出かけた際、突如入国拒否の宣告を受けてしまった。
「不法就労の疑いがあると言われました。正直、心当たりはなくはなかったのですが、そんなことはないと食い下がりました」
アーティストであることもあり、SNSはフェイスブックやインスタグラムなど「Krazy-K」名義で各種やってはいるが、法に触れるようなことをしているわけでも、アップされているわけでもない。そもそも「Krazy-K」は当然ながら活動名なので、全身に刺青があって目立つ風貌であるのは否めないが、パスポートの本名から彼が「Krazy-K」であると推し量れるものではない。
「しかし、審査官は、おまえはKrazy-Kだ、と断言したんですよ。どうやらファンの誰かがSNSに私の彫った作品をアップしていたみたいで、入国管理局はそれを把握していました」
何度か知人のタトゥーショップでファンや友人に彫ったことがある。Krazy-Kの名はブラック&グレーの世界では有名で、本人に彫ってもらったファンはその大感激を伝えるためにフェイスブックにアップした。それが監視対象になっていたというわけだ。
「友人のショップで彫ったのがまずかったのですが、あくまでも勉強のためと、友人やファンへの感謝の意を込めて彫らせてもらっただけで報酬を得てはいません。その点を何度も説明しましたが、まったく聞き入れてもらえませんでした」