タイの国鉄が日本の鉄道好きには胸熱な理由

あのブルートレインも現役で夜行列車として稼働中

ブルートレインは紫路に塗られているが、中は日本の姿がまだ残っている

 歴史ある蒸気機関車もさることながら、タイで活躍する日本の車両で、日本人鉄道ファンが最も喜び、誇りに思っているのがブルートレインかもしれない。JR西日本から譲渡された車両がバンコク-チェンマイ間を往復それぞれ1本ずつ夜行で走っている。  ブルートレインの料金は、上段ベッドで791バーツ(約2470円)、下が881バーツ(約2750円)。さらに個室もあって、かなり広いベッドで1953バーツ(約6100円)となる。  タイは格安航空会社が発達しているので、特に人気路線のチェンマイは便数が多い。飛行時間もたった1時間程度。最もメジャーな「エアアジア」だと安いときで587バーツ(約1830円)となる。バンコク-チェンマイの北本線はSRTで最も複線化が進んでおり、比較的遅延が少ない。それでも時刻通りで所要13時間、実際には14~15時間程度にもなってしまう。  高い上に時間もかかるとなると、SRTにはいいところはなにもないように見えるが、そういったことは承知で日本のノスタルジーをタイの車窓で楽しむのがオツなのだと、日本人タイ鉄道ファンは言う。  また、北部往復の寝台車以外ではVIP車両としても利用されている車両もある。  車内を改装して会議をしながら移動できるようにしたり、VIPそのものといった高級な内装にした車両もある。近年はタイも自転車がブームで、サイクリストたちが集団で移動する際に自転車と一緒に乗れるようにした車両もある。これもブルートレインを改造している。これら特別車両は貸し切り専用のため、タイムテーブルには運行状況は記載されていない。

VIP仕様に改造されたブルートレインの車両

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鉄道ファンから唯一漏れる不満
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