熊本県・大分県を襲った大地震――そのとき大型店は【熊本地震現地リポート】

被害が大きかった店舗にあった「共通点」

ゆめタウンサンピアン(熊本市東区)。軒先が崩落しているほか、窓ごしに見える店内は床が抜けているように見える

 5月中になっても営業再開できていないショッピングセンターのうち、特に被害が大きかったのが「イズミ・ゆめタウンはません」(熊本市南区、1998年開店、1999年増築)、「イズミ・ゆめタウンサンピアン」(熊本市東区、1996年開店)の両店だ。この両店は、いずれも店舗の天井板や配管、店舗の軒などが大規模に崩落しており、もし営業中であれば人的被害は免れなかったであろう。  実はこの両店舗は、いずれも2002年に経営破綻した地場大手スーパー「ニコニコドー」が経営破綻直前に建築した店舗を買収したものだという共通点がある。ニコニコドーといえば、かつて在籍したマラソン選手の松野明美氏を思い出す人もいるであろう。ニコニコドーは1960年に熊本市在住の華僑である林氏が創業した熊本大手のスーパーで、九州各地と中国桂林市に出店、大証に株式上場もしていたが、競争の激化などから2000年にダイエーと業務提携、そして2002年には経営破綻。現在は、多くの店舗がイズミグループの「ゆめタウン」「ゆめマート」となっている。  イズミグループの店舗の大型~中型店では、ゆめタウン光の森(菊陽町、2004年開店)、ゆめタウン八代(八代市、2005年開店)、ゆめタウン玉名(玉名市、2013年開店)、ゆめタウン大江(熊本市中央区、2014年開店)、ゆめタウン別府(大分県別府市、2007年開店)の5店舗が震度6以上の揺れに襲われたものの、これらの店舗では致命的な損傷はなく、震源地に近く被災後一部が休館していた「ゆめタウン光の森」も5月13日にはほぼ全館での営業を再開。また、同規模のショッピングセンターを展開するイオングループも、震源に近いイオンモール熊本(嘉島町)、イオンモール宇城(宇城市)などで一部フロアの閉鎖はあるものの5月中には全店舗での館内営業を再開している。  これらのことを考えると、ゆめタウンはません、ゆめタウンサンピアン両店の被害の大きさは際立っている。ニコニコドーの経営悪化はこれら両店が開業した1990年代末期から指摘されており、地元では「経営が悪化していたなかでこれだけの規模の大型店を建築したニコニコドーは正しい店舗設計を行っていたのか?」という疑念の声さえも上がっている。
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被害は大きかったが大型寄付を決めた「イズミグループ」
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