巨額の工費でパナマ運河拡張工事がついに終了。開通式は6月26日

白石和幸

photo by Roger W via flickr(CC BY-SA 2.0)

 パナマ運河の拡張工事が5月31をもって完成した。6月26日に世界から要人を招いて開会式が予定されている。

 パナマ運河が最初に完成した1914年から100周年目に当たる2014年に拡張工事の完成が予定されていた。しかし、工事の規模の巨大さから色々な問題が発生して2年遅れての完成となった。

 拡張工事の入札が開始されたのは2009年7月だ。これを、スペインの大手建設会社サシール(Sacyr)がイタリアのサリニ(Salini)、ベルギーのジャンデヌル(Jan de Nul)そしてパナマのクサ(Cusa)との4社で構成されたコンソーシアム(GUPC)が落札した。

 そして同年、工事が開始された。総工費は31億9200万ドル(3384億円)。これは入札に参加した他社と比較して一番低額であったという。しかし、工事が進むにつれて、この低額がGUPCの負担になるのである。

 最初の躓きは現場の土壌地質がパナマ運河庁がGUPCに提出していたものと異なっていたことである。そのため、契約で謳われていた「使用されるコンクリートが100年の耐久性のあるもの」という条件のコンクリートを用意するのに一からやり直さねばならなくなり、工事の遅れと計算外の支出となった。
 さらに、大規模な工事には良くあることだが、工事が進むにつれて予算外の工事が必要になり、当初の見積もりを超過する費用が発生してそれが累石。その超過費用の負担をGUPCは運河庁との交渉で解決しようとしたが、運河庁はその交渉のテーブルに就く用意がなく、GUPCは工事を中断せねばならない事態まで起きた。くわえて、現場の労働者が昇給を要求してストに入るという出来事もあった。ストで一日工事が遅れるごとに100万ドル(1億円)の出費になると言われた。これらの種々問題から完成予定日も次第に遅れていったのである。

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「21世紀最大のエンジニアリングを駆使した工事」

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