「円高or円安?」の中長期レートを徹底予測

アベノミクス相場は終焉か継続か――。方向感を失ったドル円レートはこのまま円高に転換するのか、それとも円安か。4人の論客が2020年までの相場を斬る! 紙幣 為替市場が荒れている。昨年高値の125円から4月には107円まで円高が進んだ。円安継続なら格好の仕込みどきだが、円高への転換点ならいち早く売るチャンス。相場の大きな転換点にある今、資産を動かしたくなるが、長期的な見通しを誤れば大きな損失となる。  そんな難しい局面、為替の賢人たちは相場をどう見るのか。4人の識者に、さまざまな視点から中長期的な相場観を聞いた。

米国が利上げに転じると円高に。下落率48%も!

円高派:1ドル=60円 【江守 哲氏】 エモリキャピタルマネジメント。住友商事では非鉄金属取引に従事。その後、ファンドマネジャーなどを経て独立。コモディティから株式、為替、債券など幅広く分析 「’16年初の120円から4月には107円まで円高が進みました。これは私が昨年末に予想したとおり。相場ではファンダメンタルズも大切ですが、それで値動きを予測するのは難しい。そこで私が大事にするのは“過去の値動き”。ファンダメンタルズを抜きにして、過去のパターンを見れば、円高局面に入ったことは明らかです。  過去のパターンを見ると、円安相場は約3年しか続いていません。昨年12月はアベノミクスが始まってちょうど3年。さらに、そのタイミングで米国が利上げをしました。過去、米国が利上げに転じると、いずれも円高に進んでいます。市場は将来を織り込んで動くため、実際に利上げする頃には天井をつけやすいというわけです。  では、この円高がどの水準まで進むのか。これも過去のパターンから分析できます。米ドル/円の大きな円高局面はこれまで6回ありました。その平均期間は43か月、下落率は40%。これを当てはめると’19年までに75円というターゲットが見えてきます。75円はアベノミクス円安の始点ともなったレートでもありますね。  さらに、円高局面が長期化した場合は57か月間、48%下落というパターンもあります。下落が長引けば、’20年に60円という可能性も十分あり得るのです。」
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米国の円安容認も限界に。少なくとも100円へ!
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