メキシコで犯罪が急増している背景には蔓延る麻薬組織カルテルが巨大化していることと関係している。最近15年余りのメキシコのカルテルの成長は著しいものがある。それまでは南米コロンビアが麻薬組織の中心であった。しかし、麻薬の最大消費国である米国と隣接しているメキシコが地の利を利用して麻薬の生産そして米国への密売が急増した。現在、米国で売買されている麻薬の取引額は270億ドル(3兆1000億円)で、その半額がメキシコからの麻薬の密輸入によるものだという。(参照:「
El Mundo」)。
この麻薬の密売によって成長したカルテルは資金源としてあらゆる犯罪に手を染めている。誘拐による身代金の徴収から武器や宝石の密売、恐喝、人身売買などである。カルテルが国内で狙った市場の政界の首長が彼らに服従しない場合は最後には殺害される可能性がある。ジャーナリストも彼らの犯罪を盛んに取り上げて批判すると同じく殺害される覚悟が必要だ。しかも、警察がカルテルに癒着している場合が往々にしてあり、犯罪の取り締まをより難しいものにしている。この関係が中央政府の目の届き難い地方ではより顕著になっているという。メキシコの警官の収入は低く、その2倍の報酬をカルテルは彼らに支給しているという。(参照:「
Infobae」)