賃上げによる景気回復と「労働者基本法の制定」を真正面から主張する民進党・杉村しんじを直撃!

街頭に立ち声を張り上げる杉村

 米大統領予備選の民主党指名候補者選びでは、サンダース候補が未だに健闘を見せている。そのタフさや粘り強さは賞賛に値するだろう。彼の健闘の結果、Socialism(社会主義)という言葉が持つコノテーションさえ変わった。 (参照:“’Socialism’ the most looked-up word of 2015 on Merriam-Webster” The Guardian, 2015年12月16日)  しかし彼の前途もここまでだろう。残りの予備選で彼が圧勝する見込みは少ないし、圧勝したとしても特別代議員の数で、クリントン陣営に突き放されている。”Enough is Enough”(もうたくさんだ!)の掛け声は、アメリカのみならず、格差にあえぐ各国の若者に希望さえ与えた。だが、労働者の側に立ち、格差と真正面から戦う彼の長い旅も、そろそろ終わろうとしている。  サンダース候補の善戦が日本伝えられるたび、「日本にもサンダースのような政治家がいれば」「なぜ日本には労働問題に向き合う政治家が少ないのか」という声が高まった。確かにその面はあろう。新聞やテレビで労働運動に熱心な政治家を見かけることは少ない。たまにメディアに登場しても「労働組合の組織候補」として、どことなく否定的な文脈での取り扱われ方に終始してしまう。だから「日本には労働問題に熱心な政治家が居ない」ように見えてしまう。  だが、決してそんなことはないのだ。共産党にも民進党にも公明党にも、そして、自由民主党にも(!)、労働問題の現場で奮闘する政治家は存在する。そうした政治家たちが日の目を浴びないだけだ。政治家たちが労働問題に関心がないのではない。社会が労働問題に取り組む政治家たちに関心を示さないだけなのだ。だからそうした政治家達の数は年々減少傾向にある。労働問題に熱心な政治家といえば概して高齢の政治家が多いのもそのせいだ。メディアのせいとはいえ、有権者の耳目の集まらない活動に精を出そうとする若い政治家はなかなか現れない。  そんな風潮の中、「労働者基本法の制定を!」を旗印にする、一人の新人が現れた。   民進党衆議院埼玉県第9区総支部長を務める、杉村慎治がその人だ。
次のページ
「低賃金の是正」を明言したメーデーの杉村
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会