さらに、イオンスタイルストアの特徴の1つとして挙げられるのが、「店舗のオムニチャネル化」だ。
この「オムニチャネル化」は、イオンのライバルであるセブンアンドアイホールディングスでも2015年から取り組んでおり、セブンアンドアイグループのオムニチャネル「オムニセブン」では、店頭にない商品やネットで注文した商品をイトーヨーカドーやセブンイレブンなどで受け取ることができるようになっている。
特に、セブンアンドアイホールディングスは、百貨店の「そごう」、「西武」、高級スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」、専門店の「ロフト」、「フランフラン」、「アカチャンホンポ」、「タワーレコード」、レストランの「デニーズ」、通信販売大手の「ニッセン」などを傘下に収めていることから、「オムニセブン」の取扱品目は非常に厚みがあるものとなっており、さらに沖縄県を除く全都道府県に出店しているセブンイレブンが大型店や専門店の「衛星店舗」としても機能、商品受け取りのために来店した顧客のついで買いも見込め、国内における総合流通業のオムニチャネル化の1つの成功例であると言われている。
様々な業態の店舗を傘下に持つセブンアンドアイはオムニチャネル化でも有利に
一方、イオングループも2013年12月に開業した「イオンモール幕張新都心」(核店舗はイオンスタイル幕張新都心)を「オムニチャネルショッピングモール」として位置づけ、イオン独自のアプリを用いることで、スマートフォンで売場の商品情報や、その商品を使ったオススメレシピをチェック、さらにイオンのネットスーパーとも連携できるなど、「店舗全体のオムニチャネル化」を目指した独自の取り組みを行っている。しかし、イオングループはあくまでも「スーパーマーケット」を主な業態としているため、その取扱品目は「オムニセブン」には到底かなわない。
さらに言えば、実際にわざわざ店内でイオンのアプリを立ち上げて買い物をしている人はそれほど多くなく、また、セブンイレブンのように大型店でカバーできないエリアにおける身近な「衛星店舗」として機能する業態の店舗も少ないのが実情だ。