自然エネルギーの急増で、世界のCO2排出量が2年連続横ばいに

斉藤円華

風力発電をはじめ自然エネルギー導入の伸びが、世界のCO2排出量の伸びを抑制している

 地球温暖化をもたらす化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)の排出。その増加にブレーキがかかったようだ。IEA(国際エネルギー機関)は今年3月、「2015年のCO2排出量(約321億トン)が2年連続で横ばいだった」と発表したのだ。

CO2排出増と経済成長はイコールではない

 IEAによると、1975年以降で世界のCO2排出量が横ばい、または下降に転じた時期は今回を含めて合計4回あった。過去の3回はオイルショック、ソ連崩壊、リーマンショックを契機に世界経済が停滞したために起こった。ところが今回は、世界経済の成長が続く中で排出抑制が達成されている。

 その最大の要因が、自然エネルギーの急速な導入だ。UNEPなどがまとめた「自然エネルギーへの投資の世界動向に関するレポート」(※)によれば、2015年に新規導入された電源の約6割、1億5600万キロワットを自然エネルギーが占めた。とりわけ伸びが大きいのは太陽光と風力で、IRENA(国際再生可能エネルギー機関)の統計では、この2種類で1億1000万キロワット以上が新たに導入されている。
http://fs-unep-centre.org/publications/global-trends-renewable-energy-investment-2016

 IEAのファティ・ビロル事務局長はこの成果を受けて「温室効果ガスと経済成長はデカップリング(切り離し)している」と述べた。つまり、「CO2の排出増と経済成長はイコールではない」ということだ。

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自然エネルギーへの投資額、原発の14倍以上に

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