南米リチウム3強の一角、ボリビアは外資参入障壁高し
チリとアルゼンチンはリチウムの開発に外資の導入を積極的に進めているが、世界の60%の埋蔵量を占める「南米リチウム3強」の最後の一角、ボリビアは開発が非常に遅れている。ボリビアには世界で最大規模のウユニ塩湖があるがモラレス大統領は外資による開発に厳しい条件をつけているのだ。ボリビアは社会主義思想で反米主義のモラレス大統領が財宝をスペインにすべて持って行かれたという歴史の教訓からか、国内の発展を先ず優先させた外資の導入しか受け入れないという姿勢を維持している。
その為に、現在も日本、フランス、韓国などが技術開発レベルなどで協力しているだけというのが現状である。そしてもうひとつの問題はウユニ塩湖のリチウムはマグネシウムが高いレベルで混ざっているので、その選別が必要となるのもネックだ。
ちなみに、オーストラリアと中国も生産国の上位を占めている国で、世界の3強となるとチリ、オーストラリア、中国となる。
しかし、日本は生産量においてトップであるにも拘らずリチウムは100%輸入に依存している。これから世界的にハイブリッド車や電気自動車への需要の伸びに伴ってリチウムイオン電池に必要なリチウムの需要が増大し、リチウム争奪戦が繰り広げられて行く厳しい現状も知っておく必要があるだろう。<文/白石和幸>