ギリシャのユーロ離脱「Grexit」は起こり得るのか? 米独ロの駆け引きがカギ

白石和幸

photo by Lefteris Heretakis flickr(CC BY 2.0)

ギリシャ政府とユーロ債権団の間でまた問題が再燃する様相を呈しており、Grexit(グレクジット=「ギリシャのユーロ圏離脱」)の可能性がまた取り沙汰されるようになると思われる。

 しかし、Grexitは起きないであろうという見方が濃厚だ。それは、地政学的にギリシャをロシア圏に引き渡してしまうようなことは、米国から信頼されているメルケル首相が見逃せることはないからだ。

ギリシアの置かれている窮状

 昨年、第3金融支援860億ユーロ(10兆3000億円)の支援が決また。それに対し、ギリシャ側は構造改革を進めて行くのと引き換えに分割して支援金を受け取ることになっている。これまで200億ユーロ(2兆4000億円)が既に提供されたが、ギリシャ側で約束した構造改革が思うように進んでいないのだ。それが理由で債権団が次の支援金の提供に躊躇しているのである。特に、IMFはギリシャ政府に対し強い不信感を募らせているという。その一方で、ギリシャはこれから夏場に向けて国債の償還などで資金が必要となる。チプラス首相は債権団に対し次の支援パッケージの提供の加速化を要求している。

 昨年のギリシャの財政赤字は<EUの中で最悪の7.2%を記録、そして負債は176.9%>に達しており(参照:「Voz Popli」 )、このような状態を今後も続けて行くことは不可能だと多くのアナリストは見ている。

 そして、昨年のIMFの内部報告では、ギリシャは<2年先には負債は200%になり、負債の償還には30年を要する>ことが示されたという。(参照:「Voz Popli」)。

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チプラス政権の最大の障壁「年金改革」

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