脱反米ボリバル革命路線の旗手、アルゼンチン・マクリ政権。「パナマ文書」に名前が登場しどうなる?

就任早々窮地に立たされたマクリ大統領 photo/Elza Fiúza/Agência Brasil(CC BY 3.0 BR)

 本サイトでも既報の通り、昨年11月の大統領選挙ではマクリ候補がシオリ候補を僅か70万票、即ち2.8%の差で勝利して、12月にマクリ大統領が誕生した。  マクリ大統領は、それまでアルゼンチンが歩んできた反米ボリバル革命路線で拡大した「景気の低迷」、「高いインフレ」、「外貨不足」を払拭し、アルゼンチンが親米的運営となり自由主義経済を推進する存在として期待されて登場したニューリーダーである。3月には、オバマ大統領が同国を訪れ、両国の間で今後の強い絆が約束されたばかり。今後ますます欧米資本との連携を強めるだろうとして、各国企業の注目も集めていた。  しかし、そんなニューリーダーの名前が「パナマ文書」に載っていたから大変だ。もし、「パナマ文書」がこの選挙キャンペーン中に発覚していれば、彼は大統領になっていないのは確実だ。シオリ候補が勝利してフェルナンデス大統領の政治体制を踏襲していたことになる。  ではこの一件で、アルゼンチンにおけるマクリ大統領の評価はどうなったのだろうか?
次のページ
前大統領からの批判でマクリ大統領起訴
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会