アルゼンチン、ついにフォークランド諸島を含む大陸棚延伸350カイリの国連承認を得る

アルゼンチンの根気強い戦略

マウリシオ・マクリ大統領はFacebookで「EL NUEVO MAPA DE LA ARGENTINA(アルゼンチンの新しい地図)」と題した投稿を(Facebookより)

 アルゼンチンはそれを承知の上で、大陸棚限界委員会の「海底の地殻が陸地のそれと同じであれば審査の末に延伸を認める」という規定を利用して、2009年に350カイリの延伸を要求、それを裏づける調査資料を同委員会に提出して自国の領域は170万平方mだと主張したのである。同様のことを英国もやっておれば、今回のような決定は下されていなかった可能性がある。何故なら、同一海域を複数の国家が主張した場合には、自動的にその海域の主権については保留とされるからである。  しかし、当時アルゼンチンの大統領だったクリスチーナ・フェルナンデスは、フォークランド戦争で自国が敗北した経験から、平和裏に島を取り戻す為の手段を色々な形で実行していた。そのひとつが350カイリ論に基ずいて大陸棚限界委員会から承認を得ることだったのである。同委員会の承認決定にマクリ新政権も非常に満足しており、彼らが科学的そして地理的根拠に基ずいて作成した調査内容が正しいと認められたことに二重の喜びを感じているという。(参照:前出「BBC Mundo」)  英国はこれに対し、〈同委員会は領土の主権を決める権限はもっていない〉という政府の見解を発表している(参照:「iProfesional」。これは確かにその通りだ。しかし、それだとしてもなお、英国はアルゼンチンに足元をすくわれた感は否めない。
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フォークランド近海の地下資源
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