――おかしいと感じた場合、患者は何をすればいいのでしょうか?
平出:「何か変だな?」「思っていたことと違うな?」と思ったら直接担当医に聞いてみるのがトラブル回避のために大切なことです。そして、問いかけに対する関係者の対応次第でトラブルは回避されます。
また、患者側がネットの書き込み情報などを参考にすると、内容によってはトラブルをかえって悪化させることもありますのでこの点も注意が必要です。
担当医に聞いても疑問を解消できなかった場合は、国民生活センターに相談したり、大学病院などでセカンドオピニオンを求めたりする方法もあります。ただし、セカンドオピニオンは歯科医師によっては異なる助言をすることがあり、かえってトラブルを増長させることもあるので注意が必要です。担当医やクリニックが歯科医師会の会員であれば、その地区の歯科医師会へ相談してもよいでしょう。
医療従事者が患者さんに接する基本は「良心と尊厳を持って医療に従事する。患者の健康を最優先とすること(1948年ジュネーブ宣言)」ですので、ほとんどのトラブルは回避されると思います。
しかし、トラブルが続く場合には、患者さん側に立って相談を受ける弁護士による回避策や解決を検討することになりますが、裁判は解決までに長い期間がかかります。そうなる前に、担当医に良く説明を聞き、おかしいと感じたら一人で悩まずに専門家に相談すること。それがトラブル回避のために大切なことではないでしょうか。
<取材・文/HBO編集部>