3.歩く習慣を作る
自粛期間が長かったため、家のなかですべての娯楽や仕事が完結するように充実化させ、それによって家から出る必要がなくなった人も多いだろう。また、通勤がなくなったため、ウォーキングなどの趣味がないと外で歩く頻度もかなり減ったはずだ。
しかし、運動をすることで鬱病のリスクは減らすことができる。
鬱病リスク抑制に効果がある運動量については諸説あり、
毎日30分以上というものや
週に一時間というものまであるが、そのなかでも私がオススメするのが、
国立精神・神経医療研究センター神経研究所の
功刀 浩先生の運動療法だ。
これは、
一回5〜10分のウォーキングから始めて、一週間ごとに5分ずつ長くしていき、
最終的に40分のウォーキングを継続できるようにするものだ。一般的には、30分のウォーキングを推奨している書籍が多いが、日頃運動していない人がいきなり30分の運動を続けるのは、
やってみるとかなりハードルが高い。
小さな成功体験を積むという意味で、この運動療法のハードル設定はかなり適切ではないだろうか。たとえば、往復5分のところにある自動販売機までジュースを買いにいくという
ご褒美をつけて始めてみるのもいいだろう。
4.友達と打ち明け合う
悩みを相談できる友人や先輩、上司という存在も重要だ。
リモートワークの影響で職場での気軽な雑談をやりづらくなったり、仕事中の表情から危険信号をキャッチできることが難しくなった。そのため、周りに気づいてもらうのを待つのではなく、
悩みを相談できる友人を持つことが重要だ。
しかし、鬱病に片足を突っ込んでから、誰かに相談するのは精神的なハードルが高い。まずは、
小さい不安を自分から打ち明けてみてはどうだろうか。
人が誰かに相談できないのは、自分の不安が相手に否定されたり、受け入れてもらえないのではないかという
相手の反応に対する恐怖を抱えているからだ。
日頃から小さい不安を相手に打ち明けることで、相手が
どのように反応してくれるかは予測しやすくなる。こうすることで、
より安心して悩みを打ち明けることができるはずだ。
それは同時に、相手にとっても相談しやすい友人ができたということになる。自分から相談するということは、相手に迷惑がかかるわけではなく、
相互にとってwin-winなのだ。
今からでも、ぜひ小さな相談事を始めて、本当に辛いときにも悩みを聞いてくれる相手を作ってみてほしい。
【参考文献】
『こころの元気+ 2016年4月号(110号)』
<取材・文/山本マサヤ>