メンタルが落ち込みがちな5月に備えたい。すぐに始められる4つのポイントとは

ウォーキングは5分からでも◎

 3.歩く習慣を作る  自粛期間が長かったため、家のなかですべての娯楽や仕事が完結するように充実化させ、それによって家から出る必要がなくなった人も多いだろう。また、通勤がなくなったため、ウォーキングなどの趣味がないと外で歩く頻度もかなり減ったはずだ。  しかし、運動をすることで鬱病のリスクは減らすことができる。  鬱病リスク抑制に効果がある運動量については諸説あり、毎日30分以上というものや週に一時間というものまであるが、そのなかでも私がオススメするのが、国立精神・神経医療研究センター神経研究所功刀 浩先生の運動療法だ。  これは、一回5〜10分のウォーキングから始めて、一週間ごとに5分ずつ長くしていき、最終的に40分のウォーキングを継続できるようにするものだ。一般的には、30分のウォーキングを推奨している書籍が多いが、日頃運動していない人がいきなり30分の運動を続けるのは、やってみるとかなりハードルが高い。  小さな成功体験を積むという意味で、この運動療法のハードル設定はかなり適切ではないだろうか。たとえば、往復5分のところにある自動販売機までジュースを買いにいくというご褒美をつけて始めてみるのもいいだろう。  

小さな悩みから関係を築く

 4.友達と打ち明け合う  悩みを相談できる友人や先輩、上司という存在も重要だ。  リモートワークの影響で職場での気軽な雑談をやりづらくなったり、仕事中の表情から危険信号をキャッチできることが難しくなった。そのため、周りに気づいてもらうのを待つのではなく、悩みを相談できる友人を持つことが重要だ。  しかし、鬱病に片足を突っ込んでから、誰かに相談するのは精神的なハードルが高い。まずは、小さい不安を自分から打ち明けてみてはどうだろうか。  人が誰かに相談できないのは、自分の不安が相手に否定されたり、受け入れてもらえないのではないかという相手の反応に対する恐怖を抱えているからだ。  日頃から小さい不安を相手に打ち明けることで、相手がどのように反応してくれるかは予測しやすくなる。こうすることで、より安心して悩みを打ち明けることができるはずだ。  それは同時に、相手にとっても相談しやすい友人ができたということになる。自分から相談するということは、相手に迷惑がかかるわけではなく、相互にとってwin-winなのだ。  今からでも、ぜひ小さな相談事を始めて、本当に辛いときにも悩みを聞いてくれる相手を作ってみてほしい。  【参考文献】  『こころの元気+ 2016年4月号(110号)』 <取材・文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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