3月31日に配信された東京新聞の記事
少し前の話になるが、
東京新聞が3月31日、「
聖火リレー 私が五輪スポンサーの「お祭り騒ぎ」動画をTwitterから削除した理由」と題する記事をウェブ配信した。福島県からスタートした東京五輪の聖火リレーを〈
聖火リレー 大音量、マスクなしでDJ…福島の住民が憤ったスポンサーの「復興五輪」 〉として報じた記事(3月26日配信)中の動画を削除したことに関する記事だ。
この記事で
東京新聞・原田遼記者は、〈
「メディアの責任を放棄した」という批判を重く受け止めたい〉と書いているが、私は
批判ではなく称賛を送りたい。
動画の削除だけに注目すれば敗北にも見えるが、
削除する理由を示す形で組織委のルールの問題点を明らかにし、批判した。何発かぶん殴りながらの「
攻撃的撤退」。今後も批判意識の発揮をやめないことを期待させるには十分だ。
動画と合わせて掲載された東京新聞の記事は、〈
聖火リレー 大音量、マスクなしでDJ…福島の住民が憤ったスポンサーの「復興五輪」〉(3月26日)。福島県からスタートした聖火リレーについて、〈初日の25日に沿道で取材した記者が目にしたのは
ランナーより目立つスポンサー車両による「お祭り騒ぎ」〉(記事より)を、それに疑問を呈する一般市民の声とともに伝えた。
この記事に添えられていた動画には、
スポンサー車両の大音量と周囲を歩きながら踊ったり手を振ったりするスポンサー企業や聖火リレーのスタッフと思しき人々の姿、どでかい車両が次々と何台も通り過ぎていく様子が映し出されていた。
記事には、離れた場所から撮影した大型車両の車列の全体像がよく分かる写真も添えられていた。しかし動画は沿道の路上に立った位置から目の前を通り過ぎるスポンサー企業の大型車両の列を撮ったもので、聖火リレーを見ようと沿道に立つ一般市民の視点と同じ。大型車両で視界が遮られ、もし自分が現地にいたら「この分じゃ聖火ランナーが来ても気づくのが難しいかもしれない」という不安にかられるだろうな、という想像力も働かせることができた。
新型コロナ対策との兼ね合いに加え、
「復興五輪」などと称して福島県内でドンチャン騒ぎをすることのバカバカしさも強く意識させられた。そんなインパクトを伴う映像だった。