なぜEek変異株は見過ごされたのか? そして統計からわかる日本の第4波傾向が示すリスク

第4波増進期なのに移動傾向が増加傾向の日本

日本の移動傾向2020/01/13〜2021/04/06

日本の移動傾向2020/01/13〜2021/04/06/Apple

 本邦における移動傾向は、緊急事態宣言解除が報じられ始めた1/31頃から一貫して増加し続けています。現時点では、基準日である2020/01/13以降、最高水準の値を示しています。4/6に漸く移動傾向が減少に転じていますが、先行きは不明です。  移動傾向の増加は、エピデミックの増進につながりますので、第四波エピデミックの増進期に移動傾向が過去14ヶ月で最高水準かつ更に増加傾向というのはたいへんに不味いです。これにバー、カラオケ、屋内外食というスーパー・スプレッダ三本鎗が加わると感染大爆発しかねません。Go To Eatは最悪の愚策です。これに加えてGo To Travelまで再開しようという強い動きが自民党にあります*が、狂気の沙汰です。Go To TravelはGo To Eatに比して感染拡大への直接的影響は低いのですが、ウィルスを拡散しウィルスを国の隅々に行き渡らせる、とくに変異株を広域移動させウィルスの遺伝的多様性を増すという厄介な効果を持ち得ます。 〈*二階氏、GoTo必要強調「恐れとったら何もできない」 2021/04/04 朝日新聞〉  次にワクチン接種状況を見ます。

異常な遅さの日本のワクチン接種状況

イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、合衆国、韓国、日本、台湾と北米、欧州、南米、アジア、大洋州、アフリカにおける計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/04/06

イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、合衆国、韓国、日本、台湾と北米、欧州、南米、アジア、大洋州、アフリカにおける計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/04/06/一回接種を一人と集計している。従って二回接種の場合、一巡して最高で200%となる/OWID

インドネシア、マレーシア、韓国、ミャンマー、日本

インドネシア、マレーシア、韓国、ミャンマー、日本、フィリピン、台湾における累計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/04/06/例示したのは日韓台と東部アジア・大洋州諸国の中で状態の悪い国、悪かった国である。ミャンマーは、2/1軍事クーデター以降、集計と報告が著しく遅れている。一回接種を一人と集計している。従って二回接種の場合、一巡して最高で200%となる/OWID

 ワクチン接種は、イスラエル、UAE、英国、合衆国などの先行国と比してアジア全体、オセアニア、アフリカで低調です。但しアフガニスタン以東のアジア諸国では、謎々効果の影響があって米欧に比してパンデミックの規模は大幅に小さくなっているため緊急性がたいへんに高い米欧に比して接種速度が遅いことはやむを得ないと筆者は考えています。  しかし本邦のワクチン接種の遅さは極めて異常で、東部アジアで状態の良くない国であるインドネシア、マレーシアや韓国と比較しても劣勢が目立ちます。本邦では、アジアでも最も遅れているフィリピンと追いつ追われつと言うのが実態です。  台湾でもアストラゼネカ社のCOVID-19様ワクチンの接種が始まりました。  韓国では、アストラゼネカのワクチン接種が欧州で一時停止したこともあり、先々週以降の接種速度が低調でしたが、EUでの接種再開決定により持ち直しつつあります。  欧州では、アストラゼネカ製COVID-19ワクチンによる血栓の発生疑い事例が報告されて以降、ワクチンは打ちたいが、信頼性の再確認が必要というジレンマに陥っており、子供への治験も停止されています*。本稿を入稿直後にこのワクチンについては極めて重要な発表が欧州医薬品庁(EMA)によってなされましたので次回論じます。 〈*アストラゼネカ製ワクチン、英国で子どもへの治験を一時停止 2021/04/07 CNN〉  合衆国では、アストラゼネカ製ワクチンの接種は、現時点でありませんが、ファイザー製とモデルナ製のワクチンを中心に接種を400万接種/日を超える日もあるという極めて積極的なワクチン接種を行っています。合衆国では間もなく成人の半数が少なくとも一回のワクチン接種を終えます*。 〈*CNN Early Start 2021/04/07〉  米欧でのこの違いは、接種中のワクチンの違いだけでなくワクチン接種のリスク・ベネフィットの比較考量の考え方が違うため*であり、欧州の方がより慎重で、合衆国は多少の有害事象で2日寝込もうと、とにかく得られるものの方が遙かに大きいという考え方です**。これは米欧共に正当な考え方で、今後どういう結果となるかは1年、5年、10年、25年、50年、100年といった時間軸での科学的検証に任されます。 〈*但し、ファイザーとモデルナのmRNAワクチンが予想を遙かに上回って優秀と評価されていることも理由である〉 〈**ファイザーとモデルナ、とくにファイザーは、接種後に頭痛や発熱で1日2日寝込むという有害事象が多い。特に二回目のブースター接種後に多いとされる。公的情報でなくても北米や欧州の知人からそういった報告が目立ち、「かなりきついワクチン」と評されている。勿論COVID-19に感染して死んだり苦しんだり、後遺症に苦しむ(Long Hauler)よりは遙かにマシである〉  ここまで2020/04/07時点で得られる最新統計情報のご紹介をしました。
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IHME(保健指標評価研究所)とLANL(ロスアラモス国立研究所)による予測
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『日本を壊した安倍政権』

2020年8月、突如幕を下ろした安倍政権。
安倍政権下で日本社会が被った影響とは?
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