大麻由来のCBDが台頭する中、忌避されるもう一つの成分「THC」。本当に有害なだけなのか

わずかでもTHCが含まれると「大麻」扱い

 アメリカ合衆国では2014年に農業法が改正され、THC含有量が0.3%未満の大麻草は“ヘンプ“として区分けされ、通常の農作物として栽培や流通が自由化されています。  一方、日本の大麻取締法では、伝統的に繊維や食品として使用されていた茎や種由来の製品は法規制から除外されています。CBDの輸入に際しては、茎・種から製造されているという証明書とTHCを含まないことを示す成分分析表の提示が義務付けられており、条件をクリアした製品だけが国内で流通しています。  シャーロッツ・ウェブは大麻草の花や葉を含む全草から作られており、ごく微量のTHCを含むため日本の法律では大麻に該当します。同製品を継続して使用することが法的に困難だと知ったご両親は、我々の運営するプログラムに参加し、THCを含まない製品に切り替えました。すると一度は完全に消失した発作が再び出現してしまったのです。

アントラージュ効果とは

 大麻に含まれる成分はそれぞれ単体でも作用しますが、一緒に摂取することでシナジー効果が生じる事が知られており、これはアントラージュ効果と呼ばれています。過去に大麻の成分を単離・合成し、処方箋医薬品として世に売り出そうとした製薬企業の試みが大きな実を結ばなかったのは、生薬としての大麻のこの特性を理解していなかったからと言えるかもしれません。  実際に、精製されたCBDであるGW製薬のエピディオレックスと、様々な成分を含有する全草抽出サプリメントであるシャーロッツ・ウェブを比較すると、後者の方が発作抑制に必要な量が圧倒的に少ない事が知られています。
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諸外国では微量のTHCを許容する傾向
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