コロナ禍のブエノスアイレスのカフェで1人座るマスク姿の男性。 photo by Carolina Jaramillo / Shutterstock.com
以前お伝えし、ついに合法化されたアルゼンチンの「富裕税」。納税締め切り日が3月30日と迫っている。そんな中、連邦歳入庁(AFIP)は2500人余りが納税義務から逃れようとしていることを公にした。(参照:「
iProfesional」)
この納税は
資産2億ペソ(2億4000万円)以上の富裕者を対象にしたもので、その対象者を歳入庁は1万3000人余りとしている。その納税率は資産額の2%から3.5%までの枠内で、外国に資産を持つ場合は3%から5.25%となっている。但し、外国に資産を持つ人がその30%を国内に送還した場合は国内に資産があるものと同等の率を適用するとしている。
1万3000人の対象者のうち、2500人あまりが納税義務を回避しようとしているということは、およそ10人の内の2人が納税を回避しようとしているということになる。また、最近数か月の間に一部資産家の間で出国した人がいるということも知られるようになっている。
アルゼンチンの富裕層が徴税回避のために移住するとしたら、一番手っ取り早く移住先として可能性があるのは、米国のウイルソン・センターが既に指摘するように、アルゼンチンから飛行機で30分で行ける隣国ウルグアイである。
さらに、移住しない富裕層の中には法廷に訴える用意をしている資産家もいるという。その理由として、納税の対象にされている資産について歳入庁が掴んでいるデーターが実際のそれとは一致していないといった理由をもとに訴訟を起こそうとしているという。
また別の資産家は、徴収しようとしている金額を納税するには資産の一部を売却せねばらならなくなる。すでに所得税を納めている上にさらに納税を義務づけるのは憲法に照らして違法だという訴えなどである。(参照;「
iProfesional」、「
La Nacion」)