「怪しい勧誘に注意」だけじゃ足りない! 大学・高校でカルト勧誘を断る方法

信者への差別は絶対やめて

 勧誘等で迷惑をかけてくる友人に対しては、迷惑に応じた対応をしていいと思う。自分自身の身みを守る上で必要なことだ。  しかし、実害がない「ただ信者であるというだけ」の人について、信仰を理由になじったりからかったり、信仰について言いふらしたり、他の友人達と違う扱いをしたりしないよう、くれぐれも気をつけてほしい。カルトであろうがなかろうが、人に迷惑をかけない限り信仰を持つのは自由だ。カルトの信者にも人権があり、それは皆さんが持っている人権と何ら違いはない。  信者の中には、親が信者であることから事実上強制的に信者にさせられ、それが当たり前のこととして育てられてきた「2世信者」もいる。2世信者が友人などを勧誘することが絶対にないとまでは言わないが、すでに脱会している人、脱会はしていないが疑問を感じている人や勧誘まではしない人、信仰を持つ家族との関係に悩んだり苦しんだりしている人など、様々な人がいる。そうした人たちを、実害もないのに学校や社会の側が傷つけてはいけない。  カルト勧誘を避けることはできない。だから警戒心はしっかり持ってもらいたいが、それはカルトによる人権侵害から自分自身の身を守るためだ。他者の人権に手を突っ込むのは、これとは全く違う。  自分の身を守ることだけではなく、他者の人権という視点も、あわせて意識してほしい。そう考えれば、カルトの勧誘を受けることも、友人の中に信者いることも、全て貴重な社会経験だ。 <取材・文・写真/藤倉善郎>
ふじくらよしろう●やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 Twitter ID:@daily_cult4。1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
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