小林洋光さん
近年、注目される環境問題への取り組みやSDG’s(持続可能な開発目標)。
大量消費・大量生産といった従来型の経済社会から、持続可能な循環型社会へと発展するために、個人や企業問わず様々なアクションが生まれつつある。
そんななか、プラスチック削減の取り組みとして脚光を浴びているのが“量り売り”だ。無印良品やナチュラルローソンなどの大手企業が、一部の店舗で食材や日用品の量り売りを始めている。
他方、消費財メーカー大手のユニリーバ・ジャパンは2021年2月より、新しいビジネスモデルとして日本初の「移動販売車を使ったシャンプーの量り売り」をスタートさせた。
プラスチック使用量削減の文脈から、なぜシャンプーの量り売り実施に至ったのだろうか。実証実験が行われる長野県佐久市の現場へ出向き、その様子やプロジェクト担当者に話を伺った。
今回向かったのは長野県佐久市にある「ヘルシーテラス佐久南」。県内最大級の道の駅として知られ、山々に囲まれた風光明媚な景色広がる場所だ。
駐車場の空きスペースの一角に、移動販売車を設置して行われたシャンプーの量り売り。地元事業者の移動スーパー「みんなのご近所さん」と連携し、「LUX」や「Dove」といったユニリーバ製品の量り売りの陳列容器が置かれていた。
「シャンプーの量り売りを実施することを、市内の新聞やチラシで事前に告知しました。量り売りはふらっと立ち寄っていきなりお買い求めになるようなものではではないので、事前に情報発信しておくのが大切だと思います」
そう語るのは今回のプロジェクトを企画したユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社シニアリーガルマネージャーの小林洋光氏。
取材当日(2月27日)の午前中には、20人ほどの地元住民が量り売りのシャンプーを買いに来たという。
中でも好評だったのは20代の若年層。かつての商店街で見られた肉や魚、揚げ物などの量り売りの光景をあまり知らない世代だ。
「若い世代はエコやサステナビリティに対して感度が高い分、今回の量り売りに対して『エコな活動でいいですね』といった声をいただきました。シャンプーの量り売りという目新しさや環境への配慮を好意的に受け止めていただけたと思います」