基本は自宅から空き容器を持って来てもらう想定だ。きれいに洗って乾かした空き容器にシャンプーなどを入れて買うことができる。万が一忘れた場合はその場で容器を購入することも可能だという。販売価格は100gで60円。スーパーやバラエティストアよりもリーズナブルな価格設定だ。
また、必要な量を欲しい分だけ購入できるのも利便性が高いと言える。
ただ、今回の佐久市での実証実験が初めての試みであり、「まだまだ改良する余地がある」と小林氏は話す。
「寒さゆえに注ぎ口からシャンプーが出にくかったり、業務用のダンボールが見えてしまって見た目があまりよくなかったりと、機材やオペレーションの点でもっとブラッシュアップしていく必要があります。
また、想定ではお客様にご自宅から空き容器を持ってきていただくつもりでしたが、実際にはシャンプーが残った状態の容器を持ってきて“継ぎ足し”を希望されるケースもありました。まだまだお客様が『量り売りのどういうところに興味を持つのか。どんなニーズがあるのか』を把握しきれていないので、回を重ねる中でアンケートやリアルな声を聞いて改善していきたいです」
シャンプーの量り売りプロジェクトは、地元企業や自治体の協力が不可欠
プラスチック削減の取り組みとしてユニリーバが始めたシャンプーの量り売り。実証実験を行った長野県佐久市は担当者である小林氏の生まれ故郷であり、「地元企業や自治体のバックアップが大きかった」という。
「ユニリーバの社内ベンチャー制度でシャンプーの量り売りを提案し、実施が決まった後、私の地元の佐久市で移動販売車を営む知人から『買い物が困難な年配者のためにシャンプーやコンディショナーの移動販売ができないか』と相談されました。それがきっかけで、移動販売車でのシャンプーの量り売りを検討しはじめました。もともと佐久市との繋がりや接点があったので、自治体や地元企業も全面的にサポートしてくださり、そのおかげで今回の実施にこぎつけました。今後も定期的に佐久市での量り売りを実施していく予定ですが、ある程度ビジネスモデルができてきたら、他の地域へも展開したいと考えています」