マスクの感染防止効果が高いことは、スーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションでも明らかであるが、平塚正幸はマスクに効果らしい効果はないと主張している。
「マスクの効果は顔を隠し、そして自分が吐いた二酸化炭素を吸うという効果しかありません」
唾液を使ってPCR検査が受けられるように、新型コロナウイルスは唾液に多く含まれている。なので、くしゃみをしたり、咳をしたり、唾を飛ばしながら話をすれば感染してしまう。
マスクをつけるというのは、飛沫を浴びないための効果もあるが、何より飛沫を飛ばさないための効果がある。飲食店でクラスターが発生しやすいのは、食事をするためにマスクを外してしまうからで、マスクの効果がどれだけ大きいのかがよくわかる。
日本は欧米の国々に比べて感染者が少なかったが、その理由の一つは「マスク」だったのではないかと考えられている。例えば、まだまだマスク不足だった2020年3月中旬、公共の場でのマスク着用率は62%しかなかったが、マスクが買えるようになった5月頃には86%まで上昇。その後も90%近い着用率をキープしている。
一方、感染者が多い国々ではどうだったのかと言うと、ドイツ1%、イギリス2%、アメリカ5%、フランス12%など。新型コロナウイルスが流行していても、ほとんどマスクを着用する人はいなかったので、一瞬にして感染が広がり、街全体をロックダウンしなければならなくなってしまった。つまり、日本が欧米のようにロックダウンをしなくても生きられるのは、「マスク」が非常に高い効果を発揮しているからだと言ってもいいのかもしれない。それくらいに「マスク」は大事なのだ。
まだ国民主権党や平塚正幸の主張をすべて聞いたわけではないが、おそらくすべての主張に対し、間違いであることを指摘できると考えている。今回初めて真剣に検証してみることにしたが、この企画はしばらく続けてみたいと思う。
なにしろ、ネット上には似たような言説がたくさん流れており、うっかり平塚正幸の演説を信じ、支持してしまう人たちがたくさんいるからだ。しかし、これらがどう間違っているのかをわかりやすく説明できれば、平塚正幸の言説に惑わされる人も少なくなるし、有権者が迷うこともなくなるのではないだろうか。だいたいの主張はそんなに難しくないので、専門家でなくても指摘できるものばかりだ。
今回の千葉県知事選では、平塚正幸が8人中4番目ぐらいに票を取ってしまいそうな選挙情勢であることもあって、なるべく多くの方に正しい判断をしていただくためにも、彼らの主張に対する検証は必要だと思う。
<文/選挙ウォッチャーちだい>