大阪維新の会、懲りず再び自称「ファクトチェック」。もちろんこれもチェックしてみた

さっそく「第2弾」が登場した維新の「ファクトチェック」

維新のファクトチェッカー
大阪市立工芸高校

大阪市立工芸高校の校舎 photo via Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

 先日、大阪維新の会が「ファクトチェッカー」という新プロジェクトを始め、ネット上に蔓延る「維新憎しのデマ」をファクトチェックすると宣言しました。なぜか第三者ではなく、当事者である大阪維新の会がチェックする仕組みになっているため、記念すべき第1弾はまったくデマではなく、ただ新型コロナウイルス対策で困っていることをツイートした人を晒しあげて、コロナ対策がうまくいっていない理由を言い訳しただけ。  あまりに雑すぎるファクトチェックに対するファクトチェックの記事(厳密にはファクトチェックの定義とはズレますが、敢えて維新に合わせて「ファクトチェック」と言い続けます)は大反響。おかげさまでPV数もスゴかったのですが、聞けば大阪維新の会の某市議が「なんだ、あの記事は!」と怒っていたらしいので、もしかしたら1回で終わるかなと思ったのですが、待望のファクトチェック第2弾がリリースされましたので、おかげさまで「ファクトチェックチェック」も第2弾をリリースすることができました。  今回、テーマとして取り上げられたのは、大阪市立工芸高等学校の本館校舎に関するツイート。この建物は大阪市指定有形文化財に指定されているのですが、これが大阪市から大阪府に譲渡されることになったという話です。またしても、大阪維新の会によって晒されているツイートはちっともデマではなかったので、皆様にお知らせしたいと思います。

いざ、ファクトチェックチェック!

 今回、第2弾として取り上げられたツイートは、大阪市立工芸高等学校の校舎の写真を添付し、「綺麗に撮れた。大阪市指定有形文化財。維新と公明党によって放棄されることになりました」というシンプルな一文です。あまりにシンプルなツイートなので、ファクトチェックする要素なんて、ほとんどないと思うのですが、維新が挙げるポイントは2つです。 “【POINT①】 ・Tweetの写真は大阪市立工芸高等学校の本館校舎である。 ・本館校舎は2000年12月12日より大阪市指定有形文化財となっている。“  なぜポイントとして挙げられているのか分かりませんが、大阪市指定有形文化財になっていることはファクトでした。つまり、大阪維新の会がアンダーラインを引いているところに、何も嘘がなかったということです。ということは、今回、大阪維新の会が「デマ」として扱いたかったところは、たった1行ということになります。 ”【POINT②】 ・大阪市教育委員会では、これまで大阪府教育長とともに、大阪市立の高等学校21校を府へ移管する方向で協議を進め、関連条例が令和2年12月9日の大阪市議会においては、大阪維新の会、公明党の賛成によって、同月21日の大阪府議会においては、大阪維新の会、公明党に加え、自民党会派等の賛成によって可決され、本校は令和4年4月に大阪市から大阪府へ移管される予定となっている。 ・大阪市文化財保護条例では17条において、文化財への現状変更を制限しているが、同22条において所有者が変更された場合であっても、文化財に対する権利義務を承継することを定めている。”  このツイートをしている人は「維新と公明党によって放棄されることになりました」と書いており、本来は大阪市が大阪市の財産として管理するべきものなのに、大阪府に移管されてしまったので、大阪市が管理を放棄したという点においては、何も間違えていません。また、管理するべき大阪市の大阪市議会で「大阪維新の会と公明党の賛成」によって可決しているのですから、「維新と公明党が放棄した」と書いていることも、間違いではありません。つまり、ファクトチェックの結果、これは「ファクト」だと言っているに等しいのです。  では、大阪維新の会は、このツイートの何を問題にしたいのでしょうか。それが「解説」の部分に書かれています。 ”【解説】  市の文化財保護条例には、文化財の所有権が移転した場合であっても、旧所有者の権利及び義務が新たな所有者に承継される旨が明記されており、たとえ所有権が移転したとしても、文化財が破壊されることのないよう保護している。  今回、市の指定有形文化財である大阪工芸高等学校が府に移管されることによって、放棄されるという発信に対して、コメント欄には「美しい建物なのに勿体ない」、「壊すのではなく修繕すべき」等、この建物が解体されると誤認した書き込みが多く見られた。  一方、発信者自身が破壊されるという表現は使用しておらず、所有者が大阪市から府に変更されることによって「大阪市が(所有権を)放棄した」という趣旨で発信した可能性もある。  いずれにしても、市の指定有形文化財であるこの建物が府への移管によって破壊されることはない。“  要するに、このツイートを読んだ人の中に「有形文化財の建物が破壊されてしまうのではないか」と勘違い人がいたので、それが問題だと言いたいようです。しかし、それは読み手のリテラシーの問題であって、ツイート主に落ち度はありません。こんなシンプルなツイートで、読み手の受け取り方の責任まで取らされるなんて、どうかしています。解説でも「発信者自身が破壊されるという表現は使用しておらず、所有者が大阪市から府に変更されることによって「大阪市が(所有権を)放棄した」という趣旨で発信した可能性もある」と書かれていますが、だいたいの人はそう読み取っているはずです。
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病院、公園、保健所。公的サービスを縮小してきた維新
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