スマホでできることの中でも、SNSの利用には注意が必要だ。自分の投稿にいいねがたくさんつくと承認欲求が満たされ、次の投稿でも同じことが起こることを期待してしまう。SNSはいわゆる、「報酬系」を刺激し、依存の原因となりえる。
フェイスブックだけでなく、ツイッターやインスタグラムといったSNSでは誰もが発信者になれるほか、ネット上で他のユーザーと交流できる利点がある。
だが、SNSで流れてくる他者の投稿は必ずしも自分にとって快いものとは限らない。誰かの幸せそうな暮らしや仕事上での輝かしい実績などをログインする度に目にし続ければ、「なんだか面白くないな」と嫌な気分になるのは無理もない。
このように他人の日常に嫉妬心を抱くことは、人生の満足度を下げてしまう。同書では「リアルに人と会うほど幸福感が増し、フェイスブックに時間を使うほど下がる」との調査結果を紹介している。
さらには10代を含む1500人のうち、約7割が「インスタグラムのせいで自分の容姿に対するイメージが悪くなった」と回答した調査結果も載せている。SNSの利用で自信を失うケースもあるのだ。
SNSは1日15分に制限。だらだらとスマホを使わない
コロナ禍のスマホ利用の実際を知るべく、筆者は知人にヒアリングをしてみた。
編集者として働く足立さん(仮名、30代男性)は、SNS利用を減らしていることを真っ先に挙げた。
「不要なストレスを感じないように、SNSをチェックする時間を意図的に減らしています。コロナでのストレスなのか、なんだかトゲのあるコメントが増えたなと思いました。悪意のある内容を見ると気分がよくありませんから」
ウェブコンテンツ制作会社で働く武田さん(仮名、30代女性)も、「SNSをする時間を1日15分ほどと決め、だらだらとスマホを使わないようにしています」と話す。
一方で、若林さん(仮名、20代男性)は、「自宅で仕事をすることが増え、SNSは自分にとって大切なコミュニケーション手段です」とSNS利用には前向きだ。
しかし、「ツイッターでは、『この人の投稿なら読みたい』と思う人だけをフォローするようにしています。仕事でデジタルツールを使う時間が増えたので、たくさんの人のツイートを目にすると疲れてしまうので」とし、使い方は変えている。