スポーツ界の感覚では「後任川淵」は妥当? その実績と危惧される要素

森喜朗と川淵三郎

森喜朗前会長と川淵三郎氏(右)(時事通信社)

火中の栗を拾う男、川淵三郎

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任し、後任に川淵三郎氏(84)の就任がほぼ決定、今日にも会見が行われる模様だ。  森喜朗前会長にとっては、女性蔑視発言が国際社会をも巻き込んだ批判を浴びたうえ、IOCや東京都知事にまで露骨に引導を渡される態度を取られたのも決定的だった。  新型コロナウイルスがまだ収まることがない状況で、開催が危ぶまれながらも、ここまで招致の段階から主導的な立場で関わってきた森前会長からすれば無念だろう。しかし、あまりにも発言と認識が時代錯誤すぎた。  小難しい政治の話などわからない地元の高齢男性支持者相手に面白おかしい演説をぶってウケを狙うような普段のノリで、いわばサービスのつもりだったのだろう。しかし、世界中が注目し、ダイバーシティとインクルージョンを標榜するオリンピックに因んだ場での女性蔑視発言には、世界中の女性が怒っている。それはそうだろう。  謝罪の記者会見も惨憺たるもので、却って批判を強めさせた。あそこで神妙に受け答えしていれば、もしかしたらここまでにならなかったかもしれない。しかしそれも出来ないのが、ご自身曰く「老害」たる所以か、身に染み付いたものだからか。  このままだと、昨年末から新型コロナウイルス対応を巡って支持率を急下降させる菅政権の不人気ぶりにも追い打ちをかけかねない情勢で、ついにジ・エンドとなった。森前会長は体調もよろしくないという。ぜひご自身が深く関与された新装の国立競技場の一番良い貴賓席で、東京五輪の開会式をご覧になっていただきたいものだ。もちろん、東京五輪がこのまま開催できるのならばだが。  そしてその火中の栗となった東京五輪のトップの座を拾ったのが、川淵三郎氏だ。

スポーツ界では予想された人選

 ご存じのとおり、Jリーグ立ち上げの立役者だ。いや、それのみらなず今の日本サッカーの興隆を強いリーダーシップで築き上げてきた人である。日本サッカー協会のトップも長く勤めた。  この手腕はサッカー協会の退任後も他のスポーツ分野にも活かされ、分裂騒動に陥っていたプロバスケットボールリーグの事態収拾にあたり、無事このミッションを成し遂げて、その後は日本バスケットボール協会会長にも就いたこともある。その後は、日本の団体球技リーグの横断組織である、日本トップリーグ連携機構の会長に就任。  ちなみに、この日本トップリーグ機構の会長職も、五輪組織委員会と同じく森喜朗氏の後任であった。  ここまで行けば川淵氏が、東京五輪の会長となるいうのは、それほど意外な人事ではないということはおわかりになるだろう。  フジテレビの「とくダネ!」の小倉智昭キャスターが、噂に上る前から森喜朗氏が退任した場合の後任候補として川淵氏をあげていたこともあるくらいで、スポーツ好きを公言している小倉氏のみらず、関係者の間では早々と名前がささやかれていたという。  なお川淵氏は、オールドサッカーファンなら知る人ぞ知る、前回1964年の東京五輪の時に日本代表のストライカーであった。当時はサッカー弱小国の日本だったが、この時はなんとアルゼンチンに勝ってベスト8まで進出している。そのアルゼンチン戦で1得点1アシストの大活躍をしたのが、若き日の川淵氏だ。
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舌禍王体質まで引き継ぐ可能性も
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