山口さんはE-girls以外にもファッションモデルや女優などマルチな活動を行ってきた。
総じて表舞台に立つ機会が多い中、モチベーションを保つ上で心がけていることは何なのか。
「周囲で支えてくれる人を大事にしたり、思いやる心を持ったり、温かい言葉をかけるようにしています。今はコロナでどうしても気分が下がってしまいがちですが、ポジティブな発信を自分からしていれば、相手からもポジティブなことが返ってくる。不安な気持ちから焦ってしまうこともあると思いますが、一旦足元をみて平常心を取り戻せるよう意識するといいかもしれません。
私の経験談ですが、E-girlsのライブ本番中にダンスの振りを間違えたときがあったんです。一生懸命に練習した集大成として迎えた本番に、ミスをしてしまったときは『よく周りを見て、落ち着こう』と意識していました。深呼吸し、リセットしてからまた始める。あとは自分のリラックス法を持つといいかもしれません。マネージャーに勧められたヨガを中学2年の頃から始めたのですが、心と体をリフレッシュするのに最適で、今でも日常のライフスタイルにヨガを取り入れています」
2020年末のE-girls解散後、女優として新たな道を歩み始めた山口さん。そんな折、初のエッセイとして『ののペディア 心の記憶』を2月4日に出したわけだが、著者として本を出したきっかけについては「まさか私が本を出すとは思っていなかった」と吐露する。
「E-girlsに所属していた頃はLDHのサイトでブログを書いていましたが、まさか私が著者として本を出版することになるとは想像もしていませんでした。2019年3月から幻冬舎の女性誌『GINGER』のWebメディアで連載をさせていただいたことがきっかけで、今回発売されるエッセイの文庫化が決まったのですが、関係者の方々には本当にお世話になりました。過去の自分を振り返りながら綴ったもの、小さな日常の断片で思う喜びや不安など、私の素直な気持ちを言葉にしようと意識しました」
『ののペディア』には、例えばこうした言葉が綴られている。
“「時間を大切にする」
「生きる目的を考える」
ありきたりなことだけれど、実行するのはとても難しい。
でもよく考えてみたら、
未来は“今”を積み重ねたその先にあるもの。
限られた時間のなか、とにかく瞬間瞬間を捕まえていくことで、
もしかしたら、少しずつでも何かが満たされて、
人生に納得するようになるのかもしれない。”
等身大で飾り気のない言葉が散りばめられたエッセイは、山口さんの心情そのままに、繊細かつ感性豊かな表現がグッと読み手に刺さる印象だ。