上が偽造品、下が正規品。イヤホン本体の外観はほとんど差がなかったものの、付属品のイヤーピースに明らかな違いが。またイヤーピース自体も硬く、着け心地が悪い
次に検証したのは、楽天が運営するフリマアプリ「ラクマ」で購入したAppleの人気ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」。
本来の定価は2万7800円だが、なんと9500円で大量に出品しているユーザーを発見。売れば売るほど赤字になるはずだが、商品説明には「保証付きの正規品」という旨が記載されていた。
こちらも、怪しいフォントが印字された箱に入ったものが届いた。肝心の音質も、「悪くはないが、本物には遠く及ばないレベル」だ。
左が偽造品、右が正規品。箱サイズが異なるが、比較なしでは……
箱に印刷されている文字列自体は正規品と一致しているが、フォントが明らかに正規品とは異なり、印刷も粗い。シリアルナンバーは正規品のものが記載されているが、同じものを使い回していると思われる
だが、スマホ側はこれを「本物のAirPods」と認識しているようで、専用の設定ポップアップが表示された。比較対象がなければ気づかないかもしれない。
最後に、ヤフーが運営する「PayPayフリマ」では、本来なら2万円前後する1TBのマイクロSDカードが2200円。
同シリーズでは容量1TBのSDカードは発売されていない。価格も安すぎるため、まだ見分けるのは容易な部類に入るか。商品説明には「ノークレームノーリターン」の文字が
パッケージはなく、マイクロSDカードが裸のまま届いた
こちらは価格から推測できる通り、内部の数値をいじって刻印を書き換えただけのお粗末な偽物。実際の中身は16GBであることが、ツールによる検証で発覚した。
専用ソフトでチェックすると、16GBを1TBに偽装していることがわかった。以前はアマゾンでよく見られた偽SDだが、フリマアプリのほうが規制がユルいのか?
中国国内のIT事情に詳しいジャーナリストの山谷剛史氏は、「こうしたコピー商品の出所はほとんどが中国です」と語る。
「中国ではコピー商品もある種の文化として見られている節があり、『偽物作りの匠』のような人物までいる。そのため、コピー商品の質は常に向上し続けています」
コピー商品出品者の評価を見ると、コピーと気づかずに評価を入れている人も多くみられた。
規約違反が確認されたのか、ほどなくして出品者のアカウントは停止となったが、しばらくすると同じ商品が同一人物と思わしき別アカウントから再び出品された。