まさに漫画『インベスターZ』!? 東大金融研究会の素顔

 東京大学という最難関をくぐり抜けた頭脳は、相場の世界でも力を発揮するのか。そのひとつの答え合わせとなりそうなのが、東大金融研究会なるサークルだ。彼らの素顔に迫るべく、座談会を開いた。

現役とOBの架け橋となる東大を軸にしたコミュニティ

東大

左から松下寛典氏、石川 憧氏、大空 翔氏

 全国から秀才が集う東京大学に、秘密の投資サークルが存在した。金融業界を志す学徒が日夜投資の腕を磨くという、まさに漫画『インベスターZ』さながらの精鋭部隊。それが東大金融研究会だ。  この金融集団を取りまとめるのは、東大出身でヘッジファンドでも活躍している大空翔氏。そこに、サークルきっての切れ者である石川氏と松下氏を加え、東大金融研究会の全貌と今後の投資活動について語ってもらった。 ――まず、東大金融研究会の結成理由と活動内容について教えてください。 大空:東大には公認の株式投資クラブがあったのですが、四季報を熱心に読み込んだり、バリュエーションでDCFを用いたり……私から言わせたらまるでおままごとでした。  ならば、一流のアナリストや運用者、加えて素晴らしい経営者から成功体験を直接聞き、経験を積むコミュニティを作ろうとしてできたのが東大金融研究会です。 石川:僕もその株式投資クラブに在籍していたのですが、なかなか実践の場がないのが課題でした。そこで、大空さんに協力していただいて、東大OBの縦の繫がりはもちろん、さまざまなプロフェッショナルから現場の話を聞く機会を持てるようになったんです。 大空:東大生はなぜか現役とOBの関わりが希薄。しかし、一度社会に出ればOBと仕事をともにする機会は多い。私は学生のうちから縦の繫がりが持てるような集まりができないかと考えていたんです。 松下:僕もそういう東大生の一匹狼的な気質に危機感を抱いて、別の東大OB会に出入りしていたところ、偶然大空さんと出会いました。投資に興味はあるものの、まだ手を出すべき段階に自分はいないと考えていて。  東大金融研究会の活動は良質なインプットに最適だと思って入会しました。

今では120人を超える大所帯に

石川:立ち上げ当初は3人でしたが、今では120人を超える大所帯に。東大生は7割くらいで、残りは他大学や社会人2年目までの人で構成されています。若くてやる気があれば、基本的に誰でも入ることができます。 大空:勉強会は2週間に1回くらいのペースで開いてます。まず日経ヴェリタスのランキングにいるアナリストを呼び、推奨銘柄があれば、その企業の社長に来てもらう。  また、金融関係ばかりでは視野が狭くなるので、宇宙飛行士や柔道の金メダリストなど、さまざまな分野のプロフェッショナルからも話を聞くようにしています。 ――大空さん自身も普段はヘッジファンドトレーダーとして辣腕を振るっている。その立場から、投資ではまず何が大事と説いているのでしょうか? 大空:肝心なのは負けないこと。素人がやりがちなロング(買い)オンリーでは、博打になる。それではダメなんです。いかにリスクをとらずに相場で勝つか。これを突き詰めていく。  わかりやすい事例を1つ挙げましょう。ヘッジファンドで言うロング・ショート戦略です。ソニーの上昇を見込んでロングすると決めた場合、同時にショートする同業他社も選定してヘッジします。例えば、パナソニックなんかが候補ですね。こうした場合、日経平均の動向にそこまで引きずられずに、付加価値の源泉である銘柄選択によって利幅を得やすいというメリットがある。  一見、市場が大きく上昇すると損だと思われるかもしれません。しかし、同様の理屈で負け分も減らせる。マクロの動向を占うことは非常に難しいので、銘柄選択で付加価値をしっかりつける。これは、リターンをリスク(ボラティリティ)で割った指標であるシャープレシオという投資の定石で、ヘッジファンド界隈の人間なら当たり前に取り入れていること。学生さんには、そうしたことから教えるように心がけています。
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エリート東大生の今後と投資への考え方とは?
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