女の身体、わたしの身体。写真家・内田京子の作品から考察する身体とその主権。
他者を撮ることの否定
街に出て撮りためた昭和の写真
自己・他者の関係において、「Dark Light(ダークライト)」のプロジェクトとは真逆のベクトルにある、昭和の写真プロジェクト。
正直私も驚いたが、内田氏と恵比寿の街を一緒に歩いている時に、街行く人に気さくに声をかける彼女の姿に感嘆した。他者との距離の近さ。それは内田氏自身の生まれ持った才能であり、彼女の「昭和の人々」の写真にもその人柄は十二分に表れていた。
内田京子
幼少期から絵が得意な子供として育つ。高校時代は裸婦の木炭デッサンを学ぶ。しかし絵の具が苦手で、美大には行かず。その後デザイナー志望となり、桑沢デザイン研究所に入学。たまたま写真の授業で、カメラを持ったことから写真に夢中になり、現在に至る。写真学校の授業で、風景、街の人々、女友達等も撮影するも最後に行き着き、本にまとめた”Life-work”のテーマは、奇しくも、10代から描いていた”Self-portrait”だった。———-心を伴う形態”の表現に、必要不可欠な被写体は、“自分自身の身体”でなければならなかったのです———
2013 Self-portraitの写真集 “Dark Light”, 出版
2014 第26回“写真の会”賞授賞
2016 ” Dark Light”の写真が, フランス国立図書館(BnF)に”購入収蔵”
2021 BnFの企画の展覧会に 出品予定(at Grand Palais in Paris)
過去の企画展……渋谷BUNKAMURA ザ・ミュージアム( 2020 )/ 東京都写真美術館/川崎市民ミュウジアム/ルーマニアコンスタンツァ美術館etc.
過去の個展 …….Nikon Salon 銀座/ ギャラリ-Place-M /Galleryアートグラフ/YW-ギャラリ-etc./
その他、グループ展多数/
【参考文献】
Castro, E. B. V. (January 01, 2002). Cosmological deixis and Amerindian perspectivism. A Reader in the Anthropology of Religion, 306-326.
<文/小高麻衣子> ロンドン大学東洋アフリカ研究学院人類学・社会学PhD在籍。ジェンダー・メディアという視点からポルノ・スタディーズを推進し、女性の性のあり方について考える若手研究者。
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